なぜか、何度も何度も何度も、咳を繰り返してしまう・・・
その原因は、咳をするたびに毎回「口から息を吸ってしまう」ことかもしれません。
風邪をひいたとき、インフルエンザになったとき・・咳は、すごく困る症状です。
もしくは、特に風邪もひいていないはずなのに、咳が出てしまうこともあるかもしれません。
そして・・・咳というのは、一度出始めると、止まらなくなることがあります。
いちど、咳き込んでしまうと、
ゴホ・・・ゴホ・・・ゴホ、ゴホ、ゴホゴホゴホ!・・と、
まるで咳が咳を引き起こしているように、どんどん、悪くなってしまうんですね。
私も以前はよく、「繰り返す咳」を起こしてしまっていました。
たまの休み、楽しいはずの飲み会の席で・・・
繰り返す咳のせいでまともに話せず、悔しい思いをした・・
ということも、ありました。
飲み会ならまだましなのですが、
重要な仕事のプレゼンで、咳がどんどん悪くなることもあり・・・
どうにかならないものか、と思ったことは一度や二度ではありません。。
本来咳というのは、細菌や異物をからだの外に吹き飛ばすものですので、
必要なもののはずなのですが・・・
それにしたって、こんなには必要ないだろうと思うくらいに、
どんどん、悪くなってしまうことがあります。。
実は・・・咳は、咳の原因になります。
・・・どういうことだ??と、もしかしたら、思われたかもしれません。
咳は、異物を吹き飛ばすものなんだから、異物がのどに入ってしまうのが原因なのでは?
と、思われるのは自然なことだと思います。
そしてもちろん、異物も原因のひとつではあるのですが・・・
実は「咳」そのものが、咳を引き起こす原因になっていて・・・
ひとつめの咳が、さらに大きいふたつめの咳を引き起こし、
ふたつめの咳が、さらにひどいみっつめの咳を起こし、さらに・・・
と、「咳の相乗効果」とでも言うような、どんどんひどい咳が起きてしまうことがあるんですね。
しかしなぜ、咳が、さらなる咳の原因になってしまうのでしょうか?
それは、タイトルにもあります通り・・・
咳のたびに、「口から息を吸う」から、なんですね。
ひとつ、質問なのですが・・・
あなたは、ゴホ!と咳をした直後に、
「鼻」と「口」のどちらから息を吸っていますか?
・・・考えたこともない、と、
もしかしたら、思われるかもしれません。
しかし、ここには正解があり、
「鼻」から息を吸うのが正しいのです。
口から息を吸うと、乾燥した空気を吸い込んでしまいます。
そして乾燥した空気を吸い込むと、咳を起こしてしまう・・
というのは、感覚的にもわかりやすいと思います。
風邪のときなど、のどがカラカラに乾燥してしまい、
それが原因で咳がひどくなることは少なくありません。
そして・・・鼻には加湿機能がありますので、
鼻から息を吸えば、カラカラになって咳がひどくなるのを防げるのです。
そのため、口から息を吸うとさらなる咳の原因になり、
鼻から息を吸うと、それを防げるのです。
しかし、そうとうに意識していないと、
咳のあとは、「口から」息を吸ってしまうものです。
ゴホゴホ!と咳をしたあとに、ヒュー・・っと口から息を吸って、
またゴホゴホゴホ!となってしまう。。
という状態ですね。
咳は、見方を変えると、強烈な「呼気」です。
ものすごい勢いで息を吐き出す、ということですね。
そのため咳をした直後は、肺が、ほとんど空になってしまいます。
そして肺が空になったあとは、大量に吸わないといけないですので、
ついつい、たくさんの空気を吸いやすい「口」から吸ってしまうんですね。
しかし・・咳で、大量の空気を吐き出し、
直後に「口」から大量に吸い、
そして起こる乾燥ダメージで、さらなる咳を起こしてしまう。。
これこそが、「咳の相乗効果」が起きてしまう理由なんですね。
それでは・・・咳が咳を引き起こす、「咳の相乗効果」を断ち切るには、
どうすればいいのでしょうか?
方法は、シンプルです。
咳をした直後に、鼻から息を吸いましょう。
・・・これだけです。
ゴホン!と、咳き込んでしまった直後・・・
ふつうなら、口からヒュー・・と息を吸ってしまうところを、
鼻からスー・・と、吸うようにするのです。
これを、咳が起きてしまうたびに繰り返していれば、
乾燥した空気をどんどん吸い込んでしまうことはなくなり・・・
「咳が咳を引き起こす」ような状態を、
脱することができるかもしれないのです。
しかし、シンプルな方法ではあるのですが・・・
意外と、難易度は高いです。
咳き込んだあとは、大量の空気を吐き出しているので、
もちろん、大量の空気を吸い込むべきなのですが・・・
鼻呼吸に慣れていないと、
「鼻で、大量の空気を吸い込む」こと自体がけっこう、難しいと思います。
そのため咳がでてしまう時だけでなく、日頃から鼻呼吸を習慣づけて、
咳がでてしまうときにもそれを活かす!・・というのが、理想です。
日頃から、鼻呼吸を習慣づけるためにやるべきことなのですが・・・
鼻の奥で、5秒間かけてゆっくり息を吸う。
これを、できるだけたくさん繰り返しましょう。
深く、しっかりとした鼻呼吸をするためのコツというのは、
他にもいろいろとありますので、
ぜひ、ご自身でもいろいろと試行錯誤をしていただければ、と思います。
それ以外にも例えば、横隔膜をやわらかくするのが、咳を止める鍵になる・・
ということも、あるかもしれません。
咳は必要なものなので、咳が起きてしまうこと自体は仕方がないのですが・・・
ちゃんと、鼻呼吸ができるようになっていけば、
すくなくとも、咳が咳を呼ぶ「咳重責」のような状態は、防げるようになっていくと思います。
私自身、以前はそういう状態になることが多かったのですが・・・
鼻呼吸をかなり練習した現在では、咳が咳を呼ぶような状態になることは、ほとんど無くなりました。
他にも、深い鼻呼吸には、肋間筋をストレッチして胸の痛みを防ぐ効果があったりします。
もちろん、繰り返す咳の原因には、
口呼吸以外にも、いろいろなものがあり得ます。
たとえば「肺炎」「咳喘息」といった、
病院の内科で診断してもらったり、薬で治療してもらったり・・が有効な、
いわゆる「疾患」を起こしている可能性も、無いとは言えないでしょう。
そのためもし、咳だけでなく高熱がずっと続く・・という場合や、
呼吸が苦しくなってしまうほどの咳が、長期間続く・・といった場合には、
いちど病院を受診されることをおすすめします。
繰り返してしまう咳を防ぐためには、意外に、
鼻呼吸といった「からだの使い方」が有効だったりします。
うまく習得することができれば、キツい症状をやわらげる鍵になってくれるかもしれませんので、
ぜひ、いろいろと試行錯誤をしていただければ・・と思います。